本の感想です!
アマテラス解体新書
筆者 岡本佳之
私が登録しているYouTubeチャンネル「考え方の学校 Yoshi Sun TV」
をやっているYouTuberさんです。
イギリスのロンドン大学大学院卒で、普段チャンネルでは考古学的観点からの歴史考察と都市伝説を扱っています。
今回の本は、チャンネルでも扱ってきた日本人のルーツ。古事記日本書紀に書かれた内容は、古代メソポタミアなどから来た士族たちの歴史だったという、衝撃的な視点で描かれています!
天照大御神を主神とし、天皇陛下に繋がる「天孫族」は古代メソポタミアのアムル人=海部氏。「高天原」とは、アナトリア山岳地方にある、「タカアマ」「ハラ」という都市の名前。
海面がかなり高かった、日本で言えば縄文時代前期、標高の高いところで人は暮らしてました。
日本で言えば長野の標高の高いところでこの時代の縄文土器が見つかっており、時代がくだり、海面が下がるにしたがって移動していきます。メソポタミアでもギョベクリテペは長野と同じくらいの標高。そこから、シュメールなどの低地へと移住していく。
そしてシュメールの都市、「ウル」が日本の「倭国」と呼ばれるようになる。
このあたりが、日本神話でいう「葦原中国」、国津神たちのいるところ。
恵比寿はシュメール人、建御名方は兄弟民族のエラム人、大国主は民族間融和のために何人かの神様が融合されている。
国譲り神話はアムル人こと海部氏が、アナトリア地方からシュメールへと移った民族移動をしめしているという事です。
また素戔嗚は古代メソポタミア最高神の一人、エンリルからきており、都市スサの王→スサノオ。その後パン、ゼウス、ヤハウェなどとも習合する。
ヤマタの大蛇の話はメソポタミアの8本の川を示している。
そしてこのエンリルを祀る都市「ニッポー」の名から、日本の国名となったとしています。
また古代エジプトと日本との関わり、中国古代の殷、周からの関わりなど、世界中から日本に色々な種族が時代を変えつつやってきて成り立ったのが日本、という内容です。
チャンネルでは取り上げられなかった、天照大御神の元になった神の考察や、造化三神は古代エジプトの神だったという内容も盛り込まれて、すごく内容の濃いものでした!
巻末の八百万の神図鑑も、秀逸で、本書で解き明かした神様の正体が、とてもおしゃれでカッコいいイラストとともに紹介されています。
神様のイメージをするのに、絵があるのとないのでは大分違うな、と感じます。
また民族ごとのまとめや、世界の年表もあり、理解がしやすかったです。
YouTubeではテーマごとにそれもかなりの時間数で説を紹介していましたが、それらが文字としてまとめられたので、より理解が深まりました。
逆に、本を買う前に、YouTubeでチェックしてみて興味がでるかみてみるのもオススメかな、と思いました。
歴史の流れ的にも、今後も研究中のテーマがあるという事で、次回作にも期待が寄せられます!!
神話と歴史はつながっている、とは思っていましたが、こういう繋がり方だとは思っていなかったので、驚きでいっぱいです。
読んでいて何度も「おおーっ」とか「えーっ」とか、声が出てしまいました!
神話について、今までは触れてはいけない、そのまま信じなくてはいけない、という雰囲気があったように思います。
明治維新後の一神教的な天皇の扱いかたの時代ののち、戦後は信仰や神、日本の歴史を大切にする気持ちは抑えられてきたのかなと。
それが昨今の流れで、色々な研究により、真実が明らかになってきているように感じます。開示の時代、でしょうか。
知れば知るほど、日本の事がより誇らしく、愛せるように思いますし、それは日本人としての自分を肯定する気持ちの高まりにもなります。
という事で、私の中でかなり興味のある分野だったこともあり、ボリュームがかなりある本ですが、あっという間に読みきってしまいました。
日本神話や、古代史に興味がある人にはぜひお勧めしたい一冊でした!