2022年アカデミー国際長編映画賞をはじめ、沢山の国際映画賞を受賞した映画、「ドライブ・マイ・カー」を見ました。
原作は村上春樹の同名の短編小説。
小説の方は以前に読んでいました。
原作にそった流れが前半で、途中からは大胆に流れが代わり、演劇を中心とした流れに。
すごい映画でした!
私は後半のパートの方が好きでした。
テーマの全ては、主人公が最後に舞台で演じる共演者のセリフにあって、それは次のようなものです。
でも、仕方がないわ、生きていかなければ!
(間)ね、ワーニャ伯父さん、生きていきましょうよ。長いはてしないその日その日を、いつ明けるとも知れない夜また夜を、じっと生き通していきましょうね。運命がわたしたちにくだす試みを、辛抱づよく、じっとこらえて行きましょうね。今のうちも、やがて年をとってからも、片時も休まずに、人のために働きましょうね。そして、やがてそのときが来たら、素直に死んでいきましょうね。あの世へ行ったら、どんなに私たちが苦しかったか、どんなに涙を流したか、どんなに辛い一生を送って来たか、それを残らず申し上げましょうね。すると神様は、まあ気の毒に、と思ってくださる。その時こそ伯父さん、ねえ伯父さん、あなたにも私にも、明るいすばらしい、なんとも言えない生活がひらけて、まあ嬉しい!と思わず声をあげるのよ。そして現在の不仕合せな暮しを、なつかしく、ほほえましく振返って、私たち――ほっと息がつけるんだわ。わたし、ほんとにそう思うの、伯父さん。心底から、燃えるように、焼けつくように、私そう思うの……。ほっと息がつけるんだわ。
チェーホフ「ワーニャおじさん」
ソーニャのセリフ
悲しくても、辛くても前を向いて生きていくしかないと、力強く後押ししてくれる、他者からの台詞です。
これが心に深く伝わりました。
このセリフは韓国人で、しかも手話を使ってのものです。
一つの劇を日本、中国、韓国などから集まった俳優が、それぞれの国の言葉で話すと言う、とても斬新な物なのです。
言葉が違うのに、違うからこそ?役者を通じて、映画を通じて、より響いたのだと思います。
最近自分の中で問題を抱えていて、悩んでいたのですが、このセリフに背中を押してもらえた様に感じました!
あまりに良い映画で、上手く感想が書けないですが、本当に良い映画なのでまだの方はぜひ見てみてほしいです。