アニマとアニムス
男性の心の中にある、女性性がアニマ、
女性の心の中にある男性性がアニムスです。
前回書いた「シャドウ」が「個人的無意識」の領域にいるのに対し、「普遍的無意識」の領域にもかかっています。人類が共通して持っているイメージで、「元型」ともとらえられます。
これらは夢の中に、理想の姿としてあらわれたり、また異性にアニマ、アニムスを投影してみることで恋愛感情を覚えたりすることがあります。
これらは自分の心の中で成長をみせ、自分の魂も成長します。
アニマ・・・男性の中にある、女性原理。
女性原理=エロス。受動性、結合・融合。情緒、感受性、完成、イメージ、協調性。受容する、共感する、あるがままに見つめる性質。
第一段階 生物的存在。肉体的な魅力。
第二段階 「ロマンチック」美しさ、高みにいる存在。西洋の昔の小説にある、貴族の女性とのロマンチックな恋、のイメージ。
第三段階 「スピリチュアル」 霊的な存在。マリア様(乙女としての)
アニムス・・・女性の中にある、男性原理。
男性原理=ロゴス。能動性、切り分ける機能。論理性、合理性、理性、競争思考。判断する、評価する、分析する性質。
ユングは男性なので、このアニムスについてはほとんど分からず、ユングの妻によって提唱されました。
第一段階 力のアニムス。肉体的な強さにあこがれる段階。小学生男子、足が速ければモテる説。
第二段階 行為のアニムス。仕事ができる人。
第三段階 言葉のアニムス。実際の行動よりも、何を言っているかに惹かれる。最近のユーチューブでのご意見番的存在?
第四段階 意味のアニムス。新たな意味を与えてくれる存在。
普遍的、社会的意味
個別的意味たとえば、その人にとっては宗教の教祖様。
私は女性なので、アニムスの方がすんなりと理解できました。
特にアニムスは、必ずしも順をおって発現する訳ではないそうですが、やはり若い頃は運動できる人に惹かれたり、だんだんとすごい発言をする人に惹かれるようになったり、という覚えがあります。
夢の中に出てくる人というのも思い当たります。
そして、働く中で、自分の中の男性性を生かしていたのかな、と思います。やはり主体的に、合理的に物事を進めた方が仕事の進み方が断然早かったです。
日本人は、女性性優位で、西洋人は男性性優位と言われています。(日本人の、あいまいで、周りに合わせるやり方は、男女共通です)
そこに、特に戦後、西洋的な考えが流入している。だからこその経済成長だった。
ただ、アニマ、アニムスには良い面だけでなく、悪い面もあります。
例えば、意味のアニムスに取り憑かれた女性は仕事も家事も、何もかも意味がないように感じてしまう。この気持ちも共感します。
シャドウと同様、自分の無意識下にいる、アニマ、アニムスを理解し、統合していく事で個性化がはかれます。