offtonmofuの自主学習ノート

さいたま住み兼業主婦の自学ノートです

日本人の気質

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ユング心理学を今まで紹介してきましたが、今回はユング心理学を日本で広めた、河合隼雄氏が語った日本人について紹介します。

 

元型と日本人

 

当然ですが西洋人と日本人は精神構造がだいぶ異なっています。

まず「元型」でみていきます。

日本人はグレートマザー・母性性、女性性の強い国です。これは農耕で発展していったから。多くの国は古代よりこの発展をしていきます。

逆に西洋キリスト教圏ではグレートファザー・老賢者がつよい。男性性です。このほうが例外的な発展で、それは牧畜を生業としてきたから。一匹の強い種牛の存在がその後の種の発展に関わるため、時に厳しい判断に迫られてきました。

グレートマザーは全てを受け入れ、統合する力を持ちますが、その分すべてを飲み込んで殺してしまう恐ろしさを持ちます。日本の村社会、また「会社」でも特に昭和までの会社を思い浮かべると、一度入ってしまえば定年まで家族の一員として受け入れられる構造がありました。

女性性の強い日本では一人一人の個性、自我が育ちにくく、他人とのつながりがあって初めて個性が分かる特徴があります。逆に男性性の強い西洋では他との「切断」をすることで物事を理解してきました。これが文明の発展にも大きく影響してきました。近代文明の発展は、この「切断」して考える「思考」によるものです。今日でも西洋では徹底的に自分のあり方を発言できるように教育されています。

日本人が物事を決めるときに、話し合いでまあまあ良いところに調和する、落としどころを見つけるのをめざすのに対し、西洋では議論を交わし、個と個の意見をぶつけるのがあたりまえです。

 

また、先日書いた「永遠の少年」元型も、日本人の特に成人男性に多く見られます。大人になっても精神状態が思春期で止まってしまう人。グレートマザーが強いからとも言えるかもしれません。

日本のアニメ文化は、今世界にも誇れるものとなっていますが、大人になってもいつまでもアニメをみる、というのは少し前まで他国からみると異様なものだったようです。

自分自身、アニメは好き!アニメを楽しむ時、ある程度子供の心で見ているように思います。

 

日本のアニメ文化は、大人になれない永遠の子どものまま、そらが良い形に昇華された例なのかもしれません。

 

 

宗教

日本は多神教で、母性的。そして面白いのが「中空構造」を持っていることです。

神話の三貴神アマテラス、ツクヨミスサノオは、アマテラスとスサノオのふたりはそれぞれ主役として活躍しますが、2番目のツクヨミは大切な神とされながらもほとんどエピソードがありません。存在感なしです。

同じく海幸彦山幸彦ともいわれるホデリ、ホオリのふたりの兄弟げんかの話ですが、2番目にうまれたホスセリは名前だけで話の中にはでてきません。

原初の神、アメノミナカヌシ。タカミムスヒ・カミムスヒとつながりますがやはり名前がでてくるだけで謎の神です。

こうした一番大切な、「中心」が「空」の構造を日本はもっています。

 キリスト教圏が一神教で、中心となる「神」が絶対の真実、唯一の真実というのとはちょうど反対なのが面白いところです。

 「絶対ただしい」考えは分断と戦争を生んできましたし、「中心が空」はなかなか物事が決まらない。どちらも良し悪しあり、第三の道を見つけることが人類には必要なのかもしれない、と河合氏は言います。

 

イエ

日本社会は母性性が強く、「均質性」が高い社会です。そのなかでは、調和を乱す者は「悪」とレッテルを貼られてしまいます。

個人はムラのため、お国のため、イエの存続のため、と自己を犠牲とすることが美徳でした。

イエと言えば家父長性で、父が絶対権力を持っているイメージでしたが、実際は多くは語らないものの「母」の力が強いのだそうです。

日本が現代化を図るにあたり、これでは西洋に追いつけまい、と取り入れたのが「個の確立」を目指す西洋モデル。

特に戦後、イエの制度は廃止されました。

ですが、心の拠り所として、日本人にはイエが必要だった。そこで「代理イエ」として、所属するところを自己ととらえるように。

自己紹介する時に、自然と日本人はどこどこ学校の〇〇です、どこどこ会社の、または地方がどこどこの、〇〇ですと言いますが、それも他国から見て違和感があるそうです。

所属先を失った人が、自信をなくす気持ちが良く理解できます。

 

日本人の性格タイプ

日本人はタイプでいうと、

内向、感覚、感情型 です。

 

確かに、フレンドリーな国民性かといえば反対だと思いますし、国会を見ていても議論ではなく感情で話をしているような場面も。

そして感覚型なので、今を大切にしています。

 

私はMBT I診断でINFJなのですが、世界的にみてかなり少ないタイプ、ですが日本人だけでみると4番目に多いタイプなのだそう。

自分の気質だと思っているものが、個人だけのものなのか、国民性によるところなのか、少し慎重に捉えた方が良いのかな、と思いました。

 

また逆に、日本人の気質を知ることで自分を知ることになります。世界の中でも異質、と言われる日本人、日本人のことをもっと知りたくなりました。