森永卓郎の新刊本「書いてはいけない」を読みました。
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先日YOUTUBEに森永氏がでて、この本の内容を話していたのをみて、興味を持っていました。昨日本屋にいって、入口すぐのところに、「話題の本」として、昨年の同氏著書「ザイム真理教」といっしょにおいてあり手に取りました。品薄のようでした。
最近は読書週間がぬけ、一冊読むのにも何日もかかることが多いのですが、ものすごく濃い内容ながら読みやすく面白いので、一晩で読み上げてしまいました。
3つの章で構成されています。
1章 ジャニーズの性加害問題について
2章 財務省の闇
3章 日航機123便墜落の真相とその後の日本経済凋落のつながり
(以下ネタバレを含みます)
1章のジャニーズ問題について。
長年芸能界・テレビ業界に携わってきたものとしての反省も含めた告発です。
権力者ジャニーズ事務所に「忖度」する習慣はテレビ、新聞を含めた業界の中に確かに存在していたようです。歯向かうと仕事がもらえなくなる、だから従う、という暗黙のルールがまかり通ってきた。
それは芸能界だけでなく、日本社会の悪いところだといっています。権力者に従順。忖度する。たしかにそうで、この見て見ぬふりのせいで多くの事が限界に近づいている、と感じます。
2章の財務省の闇について。
前著「ザイム真理教」を読んでいないのですが、その内容をかみ砕いて紹介しているのと補足だとのこと。
日本を支配しているのは内閣、政治ではなく財務省なのだそう。総理大臣でさえ財務省に逆らえない。企業・個人はもっとそう。ちょっとでも歯向かえば、「国税調査」で税金の申告漏れを指摘されお取りつぶしの憂き目にあう。
財務官僚たちは日本のため、国民のために仕事をしているのではなく、自分たちの出世、あまくだりのためにやっている。増税案を通せれば出世、減税になれば評価は下がる。国の赤字が膨らんで財政破綻するかも、というのは口実で、不景気なのに増税が続いているのは、ひとえに財務官僚たち自身のためなのだと。
そんな仕組みになっていることなど、もちろん知らなかったので、読んでいて開いた口がふさがらなくなりました。
故安倍総理は実は反財務省の立場だったことも書かれていました。「森友」問題は、財務省が大きく関わる深い闇だということも。
3章の日航機事故について。
日航機墜落事故の本当の原因は整備不良ではなく、自衛隊の誤射だった。
このないようについては別の人のだした動画を見たことがありました。ですが、この本で証拠なども詳しく書かれていたのでよりこの説の真実味がましました。
そしておそろしいのが、自衛隊の誤射であることを隠ぺいするため、ボーイング社の整備不良ということにする見返りとして、現在も永遠とアメリカのいいなりになっている日本の現状がある、ということです。
どの章も読みごたえがあり、衝撃的でした。
なにより感じたのが、本の帯にもありますが、
ステージ4のすい臓がんを患う著者が、余命をかけて、急いで、渾身の力で書き上げたのがこの本だということ。
これらのことを告発するのはそうとう勇気が必要だったと思います。
暴けば「消される」闇。ふつうに元気な人なら、その後の仕事がなくなる不安とか、もしかしたら逮捕される不安とかで書けない内容だったと思います。
あとがきにもありましたが「遺書」として書かれた、著者の集大成だというのを強く感じました。
第3章の日航機の真実については、遺族の方が裁判でブラックボックスの公開を求めたが、棄却されたそうです。ただ、機運が高まれば、もしかしたら真実が明るみにでる日が来るかもしれない、と期待をかけて締めくくっています。
ジャニーズの事も、皆知ってはいたけどだまっていた、「言ってはいけない、書いてはいけない」ことだったのが、あれよあれよという間に明るみに出たのが去年の事でした。日航機の事も、そういう日も来るかもしれない。
今、ちょうど時代が切り替わってきているのを感じます。いろいろなことが、すごい速さで変わっていき、今まで秘密にしていたこと、なぞだったことがどんどん知られてくる、「開示の時」が来ている、と感じています。
それを後押しする、力のある一冊だと思います。
内容は重いですが、読みやすい文体で、ほんとうに興味深い本なので、ぜひおすすめしたいと思いました。