「仏像とお寺の解剖図鑑 お寺の境内にちりばめられた仏の世界の読み解き方」
スタジオワーク
先日旅行で比叡山延暦寺に訪れ、いままで興味がなかった仏教にはじめて興味をもちました。いや、よく思い出せば、大学の時一般教養で「東洋美術史」として、仏教美術についても習ったんだった、と本を読みながらおぼろげな記憶がよみがえりました。
知りたかったのは仏像の鑑賞方法、そのポーズや持ち物なんかの読み解き方だったので、「図鑑」であるこの本でヴィジュアルとして理解できてとてもよかった。
入門書で、まったくしろうとの私にもわかりやすいです。
目次として、それぞれの仏像の種類が簡単に把握できるようになっていて、項目ごとに実際ある寺院の仏像のイラスト+解説、で進んでいきます。
そこで分かった仏像の種類を簡単に上げます。
如来 仏界のトップ。悟りを開いたあとの釈迦の姿がモデル。人々に仏教を教える。質素な身なり(糞象衣)を着てる。
パンチパーマ(螺髪らほつ)。おでこのほくろ(白毫びゃくごう)などの特徴。
・釈迦如来(しゃかにょらい)ー仏教の開祖。現世仏。
お供(脇侍)ー文殊菩薩、普賢菩薩
眷属ー八部衆(阿修羅はその一人)
・阿弥陀如来(あみだにょらい)ー「西方極楽浄土」にいる。未来仏。
脇侍ー観音・勢至菩薩。
・薬師如来(やくしにょらい)ー「東方瑠璃光浄土」にいる。過去仏。
脇侍ー日光・月光菩薩。
眷属ー12神将(12支になっていて、時刻・方位を守る)
・廬紗那如来(るしゃなにょらい)ーすべての仏を統括する。密教では=大日如来
・大日如来(だいにちにょらい)ー密教の中心。宝冠、アクセサリーをつけてる。
菩薩(ぼさつ) 人々を救いながら修行中。王子時代の釈迦がモデル。
高く結った髪、多くの手と持ち物。睡蓮、水瓶、錫杖など。
・観音菩薩 ・地蔵菩薩 ・文殊菩薩 ・弥勒菩薩など
明王 密教の影響、怒りの形相で導く。如来の化身。勇敢な若い時代の釈迦がモデル。
・不動明王 ・愛染明王 ・烏琴沙摩明王(うすさまみょうおう)・孔雀明王など
天部 元々インドの神様。仏界を守護する。須弥山(しゅみせん)にいる。
・梵天(ぼんてん) ・帝釈天(たいしゃくてん) ・仁王
・四天王ー多聞天(=毘沙門天)、持国天、増長天、広目天
・阿修羅 ・12神将 ・弁財天 ・大黒天 など
それぞれに深い解釈があり、もちろんお寺ごとに表現の違いもあり、さらにその下に部下がいたりして、仏教の奥深さ広さを、門の隙間からほんのすこし覗き見た感じです。
また、以前から私は神社の方に興味があり、調べたり参拝したりしていましたが、神仏習合ー仏教と神道が混ざっていた時代が長くあったためか、神道に関しての発見も多々ありました。
紹介されていたたくさんの仏像のなかで、一番心惹かれたのは、如来でも明王でも菩薩でもないのですが、「木喰仏(もくじきほとけ)」という仏像。位が低かった木喰は、各地を回って勧進しながら仏を彫ったそう。晩年の作品はにっこり笑った仏像たち。
いつか見に行ってみたいです。
また、この「解剖図鑑」シリーズ、前から書店にいろいろ並んでいるな、とは思っていました。別のジャンルのものもいろいろ出ていて、おもしろくてためになるようなので読んでみたいです!
offtonmofu.hatenablog.com